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かつて6度も清流日本一に輝いた歴舟川には春になると鯉のぼりが泳ぎ海岸線には湖沼が点在し、湿原と原生花園が広がり、太平洋を見ながら温泉を満喫できる。原生花園を切り開いた牧場から今なお人跡未踏の秘境が存在する日高山脈の山麓に広がる高原の牧場まで十勝の中では見所の最も多いエリアといえる。基幹産業は酪農で名産品には乳製品が多い。宇宙開発事業等による宇宙関連の実験も行われている。
日高山脈に源をもつ歴舟川は、昭和62年以降6回も「日本一の清流」に輝いた清流だが、中流域に大規模な牧場などが出来て、見た目以上に汚染が進んでいると思わざるを得ないが、それでも圧倒的に澄んだ水は清流日本一を実感させる。延長64.7km、中流域で中の川、ヌビナイ川などの支流を集め太平洋へ注ぐ川は大樹の町だけを流れる。毎年4月下旬から5月初旬までの期間だが、歴船川を横断する国道236号線の大樹橋より上流50mの所で歴船川の川幅いっぱいに泳ぐ一杯清流鯉のぼりは壮観。小さいサイズの鯉のぼりが子供の撮影用スポットとして河川敷内に別にある。
国道336号線を大樹町から浦幌方面に進み右手に『寺嶋商産』と温泉の案内板がある所で右折、町道を道なりに進むと晩成温泉とキャンプ場があり、低料金の割には充実した温泉だと云うことで近郊では人気の温泉です。宿泊は隣接する『原生花園』か晩成温泉コテージを利用することになる。十勝で唯一雄大な太平洋を望みながら入浴できる温泉だ。シーズンには原生花園が楽しめバードウオッチングも可能。釣りはオールシーズンに近いほどなにかが釣れているが、秋の鮭釣りと冬はホロカンヤントーでのワカサギ釣りが人気あり。ヘラブナも生息している可能性あり。◇大樹町字晩成 TEL:01558-7-8159
太平洋沿いに続く原生花園を背にした大樹町晩成地区にある大樹町の町営牧場、光地園牧場に比べればはるかに小さいが原生花園を切り開いて作った牧場だけにカンゾウの花が牧草に混じって咲く。生花苗沼を見下ろす小高い丘の上に白い建物が建っていてテラスから生花苗沼を一望できますが、建物は牧場の管理棟なのでゲートが閉まっている時は入れません。そんな時は手前の道から生花苗沼の眺望と花を楽しみましょう。運が好ければ丹頂夫婦に逢えるかもしれません。ただ生花苗沼の水位が低いと生花苗沼は殆ど見えなくなるが。◇大樹町晩成
十勝農業の歴史は『十勝開拓の祖』とよばれる依田勉三率いる晩成社移民団が開拓使より開墾の許可を受け、明治16年に十勝の下帯広村(現在の帯広市)に入植したことに始まる。3年後の明治の明治19年に大樹町に晩成社当縁牧場を開設し、畑作と酪農経営を始め明治35年からバター作りやチーズの試作など着手する。その時代を先取りした酪農経営の展開は大樹農業の基礎を築き上げた。現在の生花地区には復元された当時の住居やサイロ跡、勉三が詠んだ『もみじひら歌碑』と開拓当時から有ったであろう柏の大木が残されている。◇大樹町生花
依田勉三が牧場を開いたところが大樹町の生花で、生花の晩成公園には依田勉三の経営した牧場跡と復元された依田勉三の住居が有り生花(ナウマン国道沿いで晩成の入り口交差店付近)には依田勉三ゆかりの神社といわれている生花苗神社がある。国道沿いで駐車スペースも十分ある。依田勉三とこの神社の具体的な関わりについては管理人にはわかりません◇大樹町生花
萠和山展望台に行く途中で立ち寄ったファームレストラン。ソフトクリームとピザのほか、自家製チーズやパンなど手作りの味にこだわった店。屋外でのランチも楽しめ、前庭にはロバ君もいる。管理人が萠和山への詳しいルートを聞いたのもここでした。◇大樹町字下大樹198
萠和山(モイワ山・標高158m)は市街地の北側に位置し、展望台からは大樹町の市街地から日高山脈と山麓に広がる光地園牧場などを望む眺望が自慢の公園で、開拓時代から『御神木』と尊ばれてきた推定樹齢250年以上のカシワの巨木が残されカラマツ林の端にその威容を誇っている。麓には菖蒲園もあり憩いの場として親しまれている。半田ファームも萠和山の麓になる。
大樹町役場の北側に広がる公園で、柏の古木が生い茂りエゾリスも時折姿を見せる事もある程に自然が残されている。屋根付きで保存状態の良いSLの展示やジグザグ型に続くフジ棚は全長約150mにも及ぶ。園内には野外ステージや噴水、バリアフリーサービス車椅子用トイレも有り催し等にも対応できる。シーズンになるとさわやかな香り漂わせながらフジ棚いっぱいにに咲き誇り見事だ。東屋にベンチやテーブルもあり、のんびりするには良い。◇大樹町柏木町51番地
周囲5kmの海跡湖で周辺には原生花園が広がり、春から秋にかけてガンコウラン、エゾキスゲ、クロユリなどシーズンを通して何かが咲いているが、中でも色鮮やかなハマナスの花と身が目立つ。オイカマナイトー同様春先は草原生の野鳥の姿も多い。湖岸南北2kmにわたり「十勝ホロカンヤントー竪穴群遺跡」が分布。およそ千年前の擦文文化期を主体とする竪穴住居跡の群落で道指定の文化財となり、復元された竪穴式住居が有ります。またこの辺一帯の海岸に広がる原生花園は晩成原生花園と呼ばれていますが最近は海岸の浸食で徐々に海岸線が後退し規模が小さくなってきているが気になります。冬期間はワカサギ釣り場として多くの方が訪れている。
晩成地区にあるオイカマナイトー(生花苗沼)は周囲12kmの海跡湖で周囲は湿原や原生花園に囲まれた沼で、夏にはカヌー、ローボート、マリンジェットなどのマリンスポーツがに訪れる人も多くなる。晩成温泉周辺に広がる原生花園では白いハマナスが咲くことで知られたところだが今でも少ないがらも白いハマナスは見られるという【白いハマナスは道北の初山別村でも見た事がある】タンチョウをはじめ数多くの野鳥の生息地としては道内でも有数の野鳥の場所と言われる。ただ気になるのは水位の低さ、何となく以前と比べると水面が小さくなっているような感じがする。大潮の満潮時には以前と同じような姿を見せているが・・
官馬4頭が備えられ広尾・大樹・牛首別をつなぐ十勝最後の駅逓。駅逓の建物は同所の五十嵐商店の敷地内に有ったが、『九年前の地震(その前にも地震で被害があって九年前の地震で完全に倒壊したという)で、駅逓も店も倒れてしまって大変だった、倉庫がある部分は元の商店で、店のある所が駅逓だった』と店主、五十嵐さんが当時の事を説明、駅逓舎はそのに時撤去したとの事で痕跡はない。大樹町の説明では史跡説明板もその時に撤去されたとの事だったが、嫁さん曰く『長年の付き合いで(史跡説明板の事)愛着があり捨てられなかった』と、現在は五十嵐商店の倉庫に掲示している。大樹町では復元が可能なように設計図はとってあるというが、今のところ復元の予定はないらしい。大樹町に有った6駅逓(佐藤嘉兵衛駅逓所跡は除く)の中で唯一正確に場所が分かっている駅逓とも云う。◇所在地:大樹町字生花778番地
◇ナウマン国道沿い:五十嵐商店敷地内 N42°35’52.8” E143°27’11.1”
湧洞駅逓は大津と同じ明治8年、それ以前から佐藤嘉平が湧洞浜(当縁)街道で馬約10頭を備え駅逓を経営していた。官設の駅逓としては明治17年からとなっており、茂寄・大津・大樹の各駅へつながっていた。明治27年頃に湧洞駅逓の出張所として忠類仮駅逓を開設していたが駅逓としての機能を十分に備え、モイワ原野(忠類)では馬の飼育頭数が20頭と記されている。大正2年に廃駅となったが、昭和4年に湧洞(湧洞川・駅逓橋付近か)にて再開。佐藤嘉兵衛駅逓所跡の碑は生花苗沼と湧洞沼間で湧洞沼に近い、やや小高い丘の上にある。ここに行くのは春先の草木が伸びる前が無難、生花苗側(五十嵐商店)から海岸線に向かい、海岸線を湧洞沼に向けて進むが本格的なオフロード車でも条件によっては難しい。湧洞沼の湖口がふさがっている時は湧洞沼側から徒歩で行く方が早いかもです。陸側から林道ルートも有る様ですがこちらは通行止め。駅逓説明板は平成元年の設置で上部を固定していた針金が腐食で切れ上下逆転の状態。石碑は親族の方々がここまで運んで昭和63年に設置。碑は豊頃町との町界近くで海岸線にひっそりとある。
◇現住所:大樹町字生花?豊頃町との町界付近 N42°34’20.1” E143°31’19.1”
浜大樹から当縁川河口方面に進むと、当縁川右岸の先端部付近台地上に「当縁番屋」跡がある。大樹町設置案内板の文字は殆とが判読不能の状態で、何とか享和二年ごろ美楼会所の設置と書いてあるように見えた。美楼、ビロウは広尾の旧名で、松前領時は運上屋、幕府直轄時は会所、幕末時は十勝会所と称していた。松浦武四郎の蝦夷日誌(初航)に「馬有。継立ニなる也。非常御備米蔵、弁天社、運上屋。勤番通行上下とも止宿になる」とあり、東蝦夷日誌では「前に土手有、是は南東風を防ぐ為也」と記されている。番屋と称しているが、東蝦夷日誌では運上屋となっているので美楼会所の出張所か、土塁のような跡は今もその大部分が残っており、その手前(山側)に運上屋(番屋)が有ったことになるが、土手の長さから推測すると、それなりに大きな建物だった様に思える。松浦武四郎は弘化2年の往路と復路、安政3年9月、安政5年7月に当縁番屋に泊まったと思われる。かつては多くの人で賑わった所のようだが、今は熱狂的な釣り師の姿以外、人の姿は見ることもない。◇所在地:大樹町当縁(浜大樹?) 当縁川河口付近
浜大樹漁港にある漁霊碑で描かれている魚は鮭のようにも見え、このようなタイプの漁霊碑は初めて見た。毎年春期と秋季に漁業関係者が集い大漁と安全操業を願い魚霊祭と大漁祈願祭が執り行われているという。 浜大樹漁は道内でもシシャモが釣れるという数少ない港。◇所在地:大樹町浜大樹
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